2016年06月22日
お布団から出てきたもの
奈良の母が、週に二回だけデイサービスに行き始めた。
なんとも行き届いた施設らしく、
土日も関係なく、いつ行ってもかまわない。
母は、自分の中では「お料理のお手伝い」気分で向かう。
一緒に調理もさせてもらえるから、
家では「飽きた・・・」と途中で放り出す料理も、
人目があると、頑張るらしい。
デイサービスに行っている間に、
母の部屋の掃除をする。
「あのな、お母ちゃんのお布団の中からな、
いっぱい出てきてん!」
なに? えっと、ソックスか?
「ちゃうねん、ちゃうねん」
タオルとか?
「ちゃうちゃう」
「あのな、ベッドカバーと夏掛けのお布団の間からな。
いっぱい洋服が出てきてん」
なんでまた・・・お布団の間に服を隠す?
「そこやんか、犬と一緒の気持ちとちゃうか?」
いぬ・・・?
「大事な物を、人目に付きにくいところに隠すやん?
あれと一緒の心理らしいねん」
はぁ~?
退屈したらお昼寝ばかりになってきた母との生活も、
楽しくなってきたと言う。
「せやかて、ゆきちゃん。
一人の人間が、どんな風に死に向かっていくのかをやで、
遠慮せんと間近で見られて、心理状態も手に取るようにわかるねんで。
こんな経験、滅多にないでぇ」
身体介護が必要になってきたら、また考えるそうな。
赤いかの焼いたんは、父ちゃんが独り占めした。
カレーパウダー入りの、ビーフン。
小イワシの、南蛮漬け。
インゲンのバター炒め、お昆布豆・・・
ワンコのお布団の中からは、
ガムか、おもちゃが出てくる。
たまに、○ンチが・・・コロン!